バレル研磨とは?

バレル研磨の特徴や種類について紹介

バレル研磨とは研磨方法の一種です。しかし、一口にバレル研磨と言っても、その加工法にはさまざまな種類があります。また、加工法によっては使用する機械が異なり、仕上がりも異なってきます。

そこで今回は、バレル研磨の特徴と種類について詳しくご紹介します。バレル研磨の導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

1.バレル研磨とは?

バレル研磨とは、製造品を仕上げ、研磨する手法の1つです。具体的には、ドラム形状のバレル容器にワーク(工作物)とメディア(研磨剤)、水およびコンパウンド(研磨助剤)を所定に割合で入れ、バレルに一定の回転・振動あるいは高速回転させたりすることによって工作物を研磨する方法です。また、バレル研磨はバリ取り、鏡面仕上げ、R付け、スケール取りなどがありますが、それらを一括で処理できることも特徴で、自動車や電気機器など多くの業界で導入されています。

2.バレル研磨の種類

バレル研磨は混ぜるために、どのような力を使うかによって種類が分けられます。ここからは、バレル研磨主な種類とそれぞれの特徴について紹介します。

2-1.回転式バレル研磨

工作物をバレル容器に入れて、バレル全体を一定方向に回転させてかき混ぜて研磨する方法です。回転数が低くて摩擦が少ないため、後述する振動バレル研磨機や遠心バレル研磨機に比べ、時間と手間はかかりますが、作業にムラがなく、安定した仕上がりで、精密な研磨が行えます。また、構造もシンプルでメンテナンスも簡単な上に、比較的安価なため、バレル研磨の最も一般的な方法です。

2-2.振動式バレル研磨

円形のバレル容器をモーターによって振動させ、バレル内の工作物と研磨剤が流動運転を多ないながら、相互摩擦されることによって研磨が行われる方法です。

振動バレル研磨は、工作物を投入する面積が広く、たくさんの加工物を同時に加工できるため、大量生産するものに向いています。また、密閉されていないため、加工中に工作物の状態を都度チェックすることが可能です。

2-3.遠心式バレル研磨

回転バレル・振動バレル研磨法より飛躍的に研磨能力がアップした研磨方法です。複数のバレルが、自転しつつ、全体的に公転します。そして、高速回転することで流動状態を作り出し、高圧な遠心力を生み出して工作物を研磨します。タンクが小さいため、小型の製品や少量での加工に向いており、短時間で光沢、鏡面研磨などの精密な仕上げ研磨まで行うことが可能です。

2-4.流動式バレル研磨

流動式バレル研磨は、小型から大型、少量から多量まで幅広く対応可能な研磨方法です。たらい型のタンク底面が回転し製品と研磨石が洗濯機のような渦状となり製品を研磨します。遠心バレル研磨より研磨力は劣りますが、小型製品だと数千個単位で処理できます。また、振動式と同様に、密閉されていないため、加工中に製品の仕上がりをチェックしながら研磨することが可能です。

3.バレル研磨を導入するメリット・デメリット

最後に、バレル研磨を導入するメリット・デメリットについて紹介します。

3-1.メリット

バレル研磨の最大のメリットは、一度に大量に加工できる上に、一定の品質レベルも保ったまま研磨できることです。研磨石の種類や研磨時間などの研磨する条件が同じであれば、研磨後の品質がほぼ同じに仕上がります。また、手作業で研磨を行う際、大量の製品を研磨だとすべての品質を一定に保つことは難しいですが、バレル研磨であれば品質を一定の状態で仕上げることができるため、大量生産に向いています。さらに、使用する機械や研磨石の種類によって、高いレベルの研磨も可能です。例えば、光沢研磨やパフ研磨のミラー仕上げに近い研磨ができます。

3-2.デメリット

デメリットとしては、研磨をする素材のサイズが大きすぎたり、ひとつの装置を動かすだけの量が少ない少ロット製品の研磨には向いていません。また、バレル研磨は製品と研磨石擦り合わせて磨く研磨方法のため、形状が複雑なものだと研磨石がうまく当たらず、研磨にムラが生じる可能性があります。さらに、バレル容器内に複数の工作物を入れると、製品同士がぶつかり合って、製品表面に細かい傷が生じる場合もあります。

4.まとめ

今回はバレル研磨の種類とバレル研磨のメリット・デメリットについて紹介しました。
バレル研磨を導入することによって、一度に大量に工作物の加工を行えることが最大のメリットです。また、バレル研磨は種類によって、対応できる量や仕上がりも変わります。バレル研磨選びで悩んだ際は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
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